1929年にアルヴァ・アアルトによりデザインされた「611 チェア」は、彼の初期の家具デザインのひとつであり、アルテック創業時から変わることなく現在まで生産され続けています。丈夫なバーチ材のフレームに張られたリネンのウェビングテープが背もたれと座面を形づくり、座った人の重みを優しく受け止めます。
アルテックの製品コレクションの中でも最新の「Universal Wooden Chairs / 普遍的な木製の椅子」である、2018年にTAF Studioがデザインした「アトリエ チェア」のフォルムは、アルヴァ・アアルトの611チェアに着想を得たと言われる、スウェーデンを代表する建築家のスヴェン・マルケリウスがデザインした「オーケストラ チェア」へのオマージュである、とスウェーデンを拠点とするTAF Studioは語ります。611チェアは1929年に生み出されてから現代まで、普遍的かつデザイナーの創造性を刺激する存在です。
用途を選ばない多目的性
リネンの優しい風合いと柔軟性、スタッキング可能な機能性と実用性に加え、ベースやウェビングテープのカラーや仕様で印象を変えることができる611チェアは、住まいのリビングやダイニングでの団らん、カフェやレストランでの食事、オフィスでの使用まで、あらゆる用途に対応する多目的性を備えています。
あらゆる環境に溶け込む汎用性
アルヴァ・アアルトは、家具デザインを始めた初期の頃から、生地張りや革張りに加ええ、ウェビングテープを使用した椅子をデザインしていました。自然素材のリネンを使った611チェアは、現代のあらゆる空間においても、かろやかで洗練された上品さを感じさせ、住まいやオフィスだけでなく、レストラン、カフェなどの公共空間で用途を選ばず使い続けられています。
1937年にアルヴァ・アアルトとアイノ・アアルトが設計とインテリアデザインを手掛け、2020年にリニューアルした8階の「サヴォイ レストラン」と、2023年にリニューアルした予約制の宴会場である7階のキャビネット、どちらも高級感ある雰囲気の空間に611チェアは柔らかく親しみやすく溶け込みます。
スタッキング可能な機能性と実用性
611 チェアは、4脚まで積み重ねて収納できる実用的な構造に加え、修理や張替えをしながら使い続けていけるよう考慮されている他のアルテック製品同様に、ウェビングテープを張替えることで、時代や世代を越え長く愛用していただけます。
化学薬品による防汚処理を一切施さない、リネン100パーセントのウェビングテープは、プリストレッチ工程という製作工程により、椅子の座面に最も適した伸張性と強い耐久性に調整、仕上げられ、6バリエーションの縦糸と横糸の組み合わせを揃えています。また、サヴォイレストランのリニューアのために開発された特別仕様の「611 チェア サヴォイ」は、オーク材の本体に、座面はシックなブラックレザー張り、背もたれはレザーベルトが編み込まれています。
経年とともに味わいを増す自然素材
611チェアをはじめとしたアルテックのチェアは、自然素材である木材を主に用い、時を重ねることで美しさを増していきます。木材だけでなく、座面と背もたれに使われるリネンウェビングテープやレザーもそれぞれが味わいを深め、「パティナ」と呼ばれる経年変化と痕跡は、積み重なる歴史や思い出とともにさらなる価値を製品に付加します。
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Universal Wooden Chairs / 普遍的な木製の椅子