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私たちの暮らしとタピオヴァーラ ー Tapiovaara design in our life

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A chair is not just a chair, It is the key to the whole interior.
椅子はただ単に腰掛けるためのものではない。インテリアすべての鍵である。-イルマリ・タピオヴァーラ

イルマリ・タピオヴァーラ(1914-1999)は、アアルトの次世代にあたるフィンランドデザインの巨匠です。モダニズムと工芸の融合を目指し、「人々のためのデザイン」という考えに根ざした製品を生み出しました。アルテックは、アルヴァ・アアルトらアルテック創業者たちの哲学と想いを受け継ぐ製品として、2010年よりイルマリ・タピオヴァーラのデザインを復刻製造しています。2021年秋、アルテックは、イルマリ・タピオヴァーラの想いと、私たちの暮らしとともにあるタピオヴァ―ラ製品を紹介します。

アートとデザイン
モダニズムと国際的なキャリア

1914年、フィンランドのハーメンリンナに生まれた彼は、映画監督の兄を含む芸術センス豊かな家庭で育ちました。1930年代、モダニズムは北欧諸国にも広がりをみせ、当時のモダニストたちはすべての人々が平等に優れたデザインを享受できる世界を目指し、最新技術と最新のデザインやアートの融合に挑んでいました。学生だった彼のヒーローは、モダニズムをさらに独自のヒューマンモダニズムに発展させたアルヴァ・アアルトでした。ヘルシンキの大学で芸術と家具デザインの双方を専攻した後は、ロンドンの映画製作会社で兄の映画製作を手伝う一方で、1936年にはアルヴァ・アアルトの家具を販売していた会社Finmar(フィンマー)でも働きました。その後、パリに渡り、ル・コルビジェの事務所を訪ねて働くなど、若くして国際的な舞台で、国や分野をまたぐ広い視点を培いました。

第二次世界大戦と東部戦線
自国フィンランドの工芸との出会い

  

第二次世界大戦がきっかけとなり、フィンランドに帰国したイルマリ・タピオヴァーラは、1938年、ヘルシンキの北にあるラハティ市の家具メーカー、アスコ社にアートディレクターとして就任します。その後、第二次世界大戦が本格化し、赴任した東部戦線の地は、ロシアとの国境地帯にある東カレリア地方でした。彼は、そこで、自国フィンランドに古くから存在し受け継がれる、伝統的な家具や製品、工芸品に出会いました。モダニズムと工芸の融合を目指し、彼は、モダニズムこそが民主主義に直結する道であると考え、さらにそれぞれの国や文化で育まれた伝統工芸こそが、人々が異なる文化を理解し合うために必要なものであると考えたのです。また、東部戦線で兵士のための施設や家具製作を担当した経験は、限られた道具や資材から、家具を使う人にとっての最大限の快適性を生み出す工夫や構造を考えるきっかけにもなりました。

ドムス チェアの誕生
モダニズムの継承と
ユニバーサルデザイン



戦後間もない1946年、妻のアンニッキとともに学生寮「ドムス アカデミカ」を手掛け、「ドムス チェア」と「ドムス ラウンジチェア」をデザインします。戦後、産業の復興と資源確保が追いついていなかったフィンランドにおいて、豊富に存在する自然の木材のみを使い、さらに木の座面を身体に合わせて三次元に曲げることで学生が長時間座っても疲れにくい快適性を生み出しました。

そして、復興期に向けて、人々のより良い暮らしのために、大量生産可能でかつ多目的性に優れ、海外への輸出も視野に入れた構造を実現しました。イギリスやアメリカへと輸出された「ドムス チェア」はフィンランドを代表する椅子として「フィンチェア」の愛称で親しまれ、1951年にはミラノトリエンナーレで金賞を受賞しました。

  

彼は、ドムスチェアの考え方とフォルムを応用し、改良と改善を加え、発展させていきました。1951年、ドムスチェアとほぼ同じフォルムにスチールを組み合わせた「ルッキ」シリーズや1956年の「ナナ」、1958年には、よりコンパクトで有機的にパーツが繋がるデザインの「アスラック チェア」を発表しました。これらは、モダニズムのデザイン哲学を継承しつつも、東部戦線での家具製作経験が活かされた、多目的性に優れ、量産可能なユニバーサルデザイン・普遍的なデザインです。

工芸とモダニズムの融合
現代の暮らしに合わせた改良と発展

また、彼は同時期に、フィンランドの暮らしに根付く伝統的な木製家具を現代へと継承する「ピルッカ」シリーズ、「マドモアゼル」シリーズ、「ファネット チェア」、「トホランピ チェア」などを発表しました。これらは、戦時中カレリア地方で出会った、自国フィンランドに古くから存在し受け継がれる、伝統的な家具や製品、工芸品の流れを汲む製品です。彼は、モダニズムと工芸の融合を目指し、昔ながらの素朴な表情や構造は残しながらも、現代の暮らしに合う、すっきりとしたデザインに仕上げています。

  

すべての人のためのデザイン
社会におけるデザインの役割

イルマリ・タピオヴァーラは、民主的で平等な「すべての人のためのデザイン」というデザイン哲学を持っていました。彼は生涯この哲学を胸にキャリアを重ね、晩年は、国際連合の産業開発部門に従事してパラグアイやモーリシャスやユーゴスラビアなどの新興国での家具製作の指揮にも携わりました。イルマリ・タピオヴァーラが追求したのは、「社会におけるデザインの役割」という大きな課題でした。それぞれの国の異なる背景に根差す文化をデザインで融合することで、世界中の人々の意識や気持ちを近づけ、繋ぐことができると信じていました。

国際的な広い視野と新たな世界へ漕ぎだす冒険心をもち、改良と改善を続ける職人魂。そして、モダニズムの精神に従い、すべての人の暮らしが等しく良い方向に向かっていくための解決策を追求し続けるイルマリ・タピオヴァーラの想いと製品は、現代の日本の私たちに大切な何かを語り掛けます。

タピオヴァーラ製品の購入者全員に
「ドムス チェア」ポスタープレゼント


Artek Tokyo StoreとArtek Webstoreで、タピオヴァーラ製品をご購入いただくと、非売品の「ドムス チェア」ポスターをプレゼント!現行の製品と2nd Cycleのどちらも対象です。ポスターは無くなり次第終了のため、お早めに!